開示と対話

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のためには、株主・投資家への適時・適切な情報開示と積極的な対話がきわめて重要であると認識しています。
法令および証券取引所等が定める開示規則にしたがって、財務情報、非財務情報の適切な開示を行っています。また、そこで指定されていない情報の提供についても主体的に取り組み、経営の透明性を確保して行きます。
また、株主・投資家との対話については、その結果を社内で十分フィードバックし、経営戦略、事業運営に活かしており、今後、さらなる対話の充実に努めます。

コーポレートガバナンス・コードへの対応

東京証券取引所制定のコーポレートガバナンス・コードを踏まえ、当社の企業活動上依拠すべきコーポレートガバナンス・ガイドラインを定めるとともに、必要に応じて適宜見直しを行い、ガバナンスの充実に努めています。

コーポレート・ガバナンス体制

当社のコーポレート・ガバナンス体制の主要事項は以下の通りです。

項目
内容
形態
監査役会設置会社
取締役会の機能
取締役9名、内、社外取締役4名(独立役員3名)
取締役会の構成
経営および業務執行に係る全ての重要事項の審議・決定、および、職務執行に関する取締役相互の監視と監督
取締役の任期
1年間
取締役会の開催回数
19回(2020年度)
監査役会の構成
監査役4名、内、社外監査役2名(独立役員2名)
監査役会の機能
取締役の職務執行、内部統制の構築・運用状況、四半期決算や年度末決算などの監査実施要領、監査の内容・結果などの報告、審議
監査役会の開催回数
20回(2020年度)
執行役員制度の採用
有り
指名・報酬諮問会議
取締役社長および社外役員6名の合計7名により構成。取締役、執行役員の候補者の指名、代表取締役の選定・解職および役職の委嘱・解嘱、ならびに取締役、執行役員の報酬制度および報酬等に関する決定プロセスの透明性を確保することを目的に、取締役社長の諮問機関として設置
経営執行会議
執行役員および主要部門長により構成。業務執行に関する主要事項の審議・報告を目的に、最高経営責任者(CEO)である取締役社長の諮問機関として設置。

コーポレート・ガバナンス体制および内部統制システムを図示すると、以下の通りです。

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス強化の取り組み

コーポレート・ガバナンスに関しては、下図の通り強化を進めてきており、今後も更なる実効性を高めるために、改善に努めます。

コーポレート・ガバナンス強化の取り組み

内部監査および監査役監査

監査役ならびに業務監査部は、以下の対応を通じて、適切な内部監査を実施しています。

主体
実施内容
監査役
取締役会その他社内の重要な会議への出席
取締役、執行役員および主な従業員等から事業・職務執行状況の聴取
業務監査部
社長直轄の内部監査部門(5名)
会社業務の適法性および合理性についての評価
業務の有効性および効率性についての助言・勧告
財務報告に係る内部統制の整備・運用の独立評価とJ-SOX会議への報告
相互の連携
監査役と業務監査部は、会計監査人も含め、各年度監査計画と重点監査項目、監査方法、審査と品質管理の体制、監査結果等に関する意見交換等、独立性を配慮しつつ、相互に密接な意思疎通を図り連携して監査の実施

内部統制

当社は、内部統制がコーポレート・ガバナンスの基礎であるとの認識の下、取締役が適切な内部統制体制を構築・運用・評価し、継続的な点検と改善を実施し、基本方針についても定期的な見直しを図ることとしています。
また、内部統制によりコンプライアンス、適切なリスクマネジメント、財務報告の信頼性確保を実現し維持するとともに、業務の有効性と効率性の確保にも十分注力し、取締役会が適切な情報に基づき意思決定し、その決定に従って業務が執行される体制を構築しています。

取締役会の実効性評価

当社は、取締役会の実効性をより高めていくために、定期的に取締役会の評価・分析を実施し、その手続および結果の概要を開示することとしております。

2021年度においては、以下の方法で取締役会実効性評価を実施いたしました。2021年12月に取締役会の構成員であるすべての取締役・監査役を対象に、総務部門がアンケートを実施いたしました。取締役会は、事務局よりその結果の報告を受け、その内容を踏まえた上で、2022年2月の定例取締役会において、分析・議論・評価を行いました。その結果の概要は以下のとおりです。

アンケートの回答からは、取締役会の規模、構成、運営状況の点においては、昨年に続き概ね肯定的な評価が得られており、取締役会として果たすべき業務執行にかかる意思決定および監督の機能を発揮していることが確認できました。これらを踏まえ、取締役会全体としての実効性は相応に確保されていると評価いたしました。また、一昨年より行っております資料の電子データ配布、必要に応じたWeb会議システムの利用等により、新型コロナ禍においても影響を最小限に抑える適切な運営がされていると、一定の評価が得られております。また、Web会議を基本としつつ、状況に応じて対面での議論も感染状況を十分に勘案した上で、取り入れることにより、役員間の情報交換・認識共有に改善が見られました。

一方で、社外取締役において、取締役会構成員の多様性の確保をより推し進めるべきである旨、新型コロナ影響により、執行部門とのコミュニケーション機会が減少しており、執行部門との対話の場の提供を望む等の意見が出ております。これらの意見を踏まえ、取締役会の更なる議論の活性化に資するよう、より多様性を向上させた取締役会構成を検討するとともに、現場レベルも含めた積極的な意見交換機会の提供等について、今後取り組んでまいります。また、取締役会における後継者育成に関する議論や指名・報酬諮問会議の更なる活用について検討すべきとの意見については、取締役会の監督機能強化の観点から引き続き改善の余地があるとの意見が出され、取締役会の機能の更なる向上、議論の活性化に向け、認識を共有し、改善案を検討することといたしました。

今後、当社の取締役会では本実効性評価を踏まえ、課題について十分な検討を行ったうえで迅速に対応し、取締役会の機能を高める取り組みを継続的に進めてまいります。

取締役・監査役の選任基準およびトレーニング

  • 社内取締役については、事業に関する深い識見と実績を有し、多様なステークホルダーの視点を踏まえて企業価値向上のために適切な判断を行えること、ならびに高い倫理観と公正な人格を有す者を選任しています。
  • 社外取締役については、同様の基準に加えて、異分野に関する専門性や経営全般に関する豊富な知見を有す者を選任しています。
  • 監査役についても、同様の基準を念頭に置きつつ、取締役の職務・業務執行の適正性について適切に監査することができる者を選任しています。
  • 当社は、取締役および監査役がその役割・責務を果たすために必要なトレーニング等の機会を提供しています。 社外取締役や社外監査役が新たに就任する際には、会社の事業・財務・組織を含めた概況および会社の事業課題等について必要な説明・情報提供を行っています。

役員報酬

当社の取締役(社外取締役を除く)の報酬等は、当社の企業価値の最大化に向けた当該取締役の意欲をより高めることのできる、適切、公正かつバランスの取れたものとします。報酬体系等は以下の通りです。

項目
実施内容
報酬体系
固定報酬+業績連動報酬
固定報酬
各取締役の職位に基づき決定
業績連動報酬
当期純利益を計算基礎に、各取締役の貢献度に応じ、取締役社長が決定
固定報酬および業績連動報酬の比率、業績連動報酬の算定式等
取締役社長が必要に応じ改定案を作成し、指名・報酬諮問会議の答申を踏まえ、取締役会で決定
社外取締役および監査役の報酬
業績とは連動しない定額報酬

2019年度の役員報酬については、前事業年度の当期純損失に鑑み、業績連動報酬は支給せず、更に社外役員を除き固定報酬の減額(35~20%)を行いました。下表は当該報酬実績です。

役員報酬 役員報酬

※上記の員数、報酬額には、2019年6月28日の定時株主総会で退任した監査役1名を含む。
また、2020年度の役員報酬については、2019年度に当期純利益を計上したものの新型コロナウィルス問題の下、非常に厳しい経営状況を踏まえて、業績連動報酬は支給せず、固定報酬の減額幅を拡大する(50%~45%)こととしました。
役員報酬については、業績連動報酬が過年度の当期純利益を基礎としているため、それに加えて中長期の業績を反映する要素を報酬体系に加えることを、今後の課題として捉えています。

政策保有株式

保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式である、いわゆる政策保有株式については、取引や協業関係の構築、維持、強化等によって当社の中長期的な企業価値向上に資すると判断される場合に取得・保有し、毎年、取締役会で検討の上、保有意義が希薄化した場合には順次縮減に努めることにしています。
この結果として、政策保有株式については、以下の通りとなっています(2020年3月末時点)。

政策保有株式 政策保有株式

Copyright © Toyo Engineering Corporation All rights reserved.