
新規油田の開発は陸上から海へ、更には浅海から深海へと拡大しており、大水深環境に適応する「FPSO(Floating Production, Storage and Offloading)」が注目されています。FPSOは、船に原油生産設備と原油タンクを装備しており、必要な海洋鉱区に移動して操業することができます。
FPSO建設の特徴
FPSOは、水深2000~3000mの海底油田からの油層流体から水・ガスを分離して原油を生産します。原油生産に伴って排出された随伴ガスは、船上のガスタービン発電に使用する他、圧縮機で昇圧され、原油の回収効率を上げるために、水と同様に再度海底油田へ注入します。近くに海底パイプラインがある場合には、そこに接続され陸上に送られて発電所などで使用される場合もあります。
FPSOは陸上のプラントと異なり、その船上設備(トップサイド)が揺れることが設計の前提条件の一つとなります。また、船上設備となるモジュールの設計・建設はFPSOプロジェクトに特有な、設置スペースの制約や軽量化の追求、超重量物であるモジュールを船上に吊上げる際の歪み等、設計条件を考慮しながら3次元CADを駆使して進められます。また、モジュールは各ブロック単位で陸上にて製作されるので、船体の建造や改造と並行して工事することが可能であり、スケジュールの短縮が図れる利点もあります。
FPSOモジュール組立・据付工事全景
実績
TOYOは2005年から2022年にかけて、FPSOに搭載するトップサイドの製作管理に取り組んできました。オーストラリア沖スタイバロー海底油田で稼動するFPSOプロジェクトでは、トップサイドの設計・調達・モジュールの製作管理を担当しました。また、ブラジル沖で稼働するFPSO P-74プロジェクトでは、FPSOトップサイドの設計・調達およびモジュール製作、据付までを一括請負しました。モジュール製作のみのプロジェクトも含めると2022年までに16件の実績があります。
その後2022年8月、これまでのプロジェクトを通じて築いてきた信頼関係を背景に、TOYOは三井海洋開発株式会社(MODEC)とともに、シンガポールに合弁会社OFS (Offshore Frontier Solutions Pte. Ltd.)を設立しました。トップサイドのみならずハル (船体)も含めたFPSO全体のEPCI事業を遂行しています。設立翌年の2023年には、ガイアナ沖向けUARUプロジェクト、ブラジル沖向けRAIAプロジェクトを受注し、いずれも順調に進行中です。さらに、2024年5月にマレーシアにOFS Malaysiaを、同年8月にはインドにOFS Indiaを立ち上げ、FPSO事業のグローバル遂行体制を構築しています。
2025年、新たに2件の大型プロジェクト(ブラジル沖向けGato do Mato-Orcaプロジェクト、ガイアナ沖向けHammerheadプロジェクト)を受注しました。今後も継続的な案件受注を通じて、収益基盤の安定化に貢献していきます。

Petróleo Brasileiro S.A. (Petrobras)社向け FPSO Almirante Barroso MV32
※TOYOは一部モジュールを担当

ExxonMobil Guyana社向け
FPSO Errea Wittu (UARU)

Equinor Brasil Energia Ltda社向け
FPSO Raia
こちらから承ります

