DME(ジメチルエーテル)DME(ジメチルエーテル)

DME(ジメチルエーテル)は、硫黄や灰分を含まないため燃焼時に硫黄酸化物や煤塵が全く発生せず、セタン価が高く燃焼特性に優れ、また、極めて低毒性で、かつ温室効果やオゾン層破壊の懸念はないと考えられているクリーン燃料です。
DMEは貯蔵・ハンドリングもLPGに準じた取り扱いが出来ることから、LPG代替やディーゼル代替としての期待が高まっています。また、合成ガスを経て製造される為、天然ガスの他、石炭、重質油、バイオ、廃棄物など原料を広く求めることができ、間接的に資源制約を緩和することができる新しいエネルギーとも位置づけられます。
東洋エンジニアリングは、メタノールプラントにDME合成工程を付加することで間接法DME製造技術および触媒の開発を行いました。間接法では、メタノールとDMEをマーケット需要に合わせ併産、生産調整することができ運転の融通性が高いこと、また、既に技術的に成熟した大型メタノールプロセスをベースとしている為、信頼性の高い、運転が容易なDMEプラントを経済的に実現できるなどの特長があり、中国において既に4基の当社技術によるDMEプラントが稼動しています。
東洋エンジニアリングは、この間接法ジメチルエーテル製造プロセスの商業化が評価され、日本石油学会からH18年度石油学会技術進歩賞を受賞致しました。

特徴

天然ガスを原料としてDMEを製造する方法は、原料メタンをスチームもしくは酸素などの酸化剤を用いて、主にCO+H2+CO2からなる合成ガスに改質し、これから先ずメタノールを合成、さらにこれを脱水しDMEを得ます。直接法では、メタノールができる反応と、DMEができる反応を一つの反応器内で行わせているのに対し、間接法では各々の反応を別々の反応器内で行わせているところに違いがあります。東洋エンジニアリングでは100件を超す実績に基づいた高い信頼性を有する合成ガス製造技術および独自のメタノール製造技術を組み合わせた間接法を採用しています。間接法の反応は以下で表わされます。

(1)メタノール合成1 : CO + 2H2 = CH3OH (91 kJ/mol)
(2)メタノール合成2 : CO2 + 3H2 = CH3OH + H2O (49 kJ/mol)
(3)メタノール脱水 : 2CH3OH = CH3OCH3 + H2O (23 kJ/mol)

特徴

合成ガスからメタノールを式(1)および(2)の反応で合成し、副生した水を除去した後、別の反応工程でメタノールの脱水反応(3)によるDME合成を行なわせる2段階方式です。(1)、(2)、(3)すべて発熱反応です。
この間接法は、各段階の反応にそれぞれ最適な反応器形式および反応条件を選択できること、またDME合成反応で発生する反応熱量が小さいので反応器の熱除去が直接法に比べて容易になる利点があります。天然ガスを原料として水蒸気改質工程を経由する場合はCO2もメタノール合成に利用しています。また様々なCO2排出源か回収したCO2と、再生可能エネルギー由来の水素から合成された環境循環型のメタノール(g-Methanol®)も原料となります。

DMEプロセス図

メタノールおよびDME製造プロセス図

実績

中国・四川省の大手肥料会社である瀘天化集団公司から、世界初となる燃料用途DME製造プラントを2002年に受注し、翌2003年から順調に運転を開始しました。この実績を高く評価され、同社から第2号基(年産11万トン、瀘州市)を引き続き受注しました。天然ガスを原料としているこれら2つのプラント以外に、中国で豊富に産出される石炭を原料とする第3号基(年産21万トン、リンウ市)を中国・寧夏回族自治区の神華寧夏煤業集団公司から、第4号基(年産14万トン相当、晋城市)を中国・山西省の山西蘭花清潔能源有限責任公司から連続受注し、これらは既に完成・稼働し、同国のエネルギー不足解消に貢献しています。

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