2017年3月14日

東洋エンジニアリング株式会社(TOYO、取締役社長 中尾 清)は、丸善石油化学株式会社から受注した省エネルギー型蒸留システム『SUPERHIDIC®』の建設工事を完了し、従来の蒸留塔に比べて5割を超える省エネルギー化を達成しました。千葉県市原市にある丸善石油化学千葉工場内のアルコール・ケトン製造設備の大幅な省エネルギー化を目的としてSUPERHIDIC®が適用されたもので、初の商業機となります。2014年にTOYOが受注し、設計・調達・建設・運転助成を実施しました。

SUPERHIDIC®は、石油精製・石油化学プラントで広く用いられている蒸留工程を省エネルギー化する技術で、長年にわたり世界中の企業、大学、研究機関等で研究されてきた技術を、TOYOが初めて商用化したものです。一般的に蒸留工程は、蒸留塔の塔底液をリボイラーで加熱すると同時に、塔頂ガスをコンデンサーで冷却しており、熱エネルギーを多く消費します。加えてリボイラーにおける加熱源としてスチームや燃料油を使うため多くの二酸化炭素を排出します。この工程にSUPERHIDIC®を導入することにより、省エネルギー化されるだけでなく、地球温暖化ガス排出量も削減します。

TOYOは本プロジェクトの成功をてこに、SUPERHIDIC®の適用拡大を図り、石油精製・石油化学プラントの運転費低減、省エネルギー化、さらに地球環境への負荷低減に貢献してまいります。

SUPERHIDIC®の開発・商業化の経緯
TOYOは省エネルギーの概念であるHIDiCをもとに、既存の蒸留・伝熱技術を適用して、保守性を維持しつつ、極めて高い省エネルギー性能を実現する蒸留システムSUPERHIDIC®を、国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究の成果を用いて開発しました。

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