2002年3月13日

尿素新技術で中国肥料工場能力増強プロジェクトを受注

東洋エンジニアリング株式会社(TEC、取締役社長 広瀬俊彦)は、中国の川化集団有限責任公司(四川省成都市)との間で、肥料工場の能力増強プロジェクトの契約調印を行いました。
このプロジェクトは、TECが1976年に建設した既設の尿素プラントの能力を1,620トン/日から2,460トン/日に引き上げるものであり、TECの所掌範囲はライセンス供与、基本設計、一部機器調達、テクニカルサービスとなっており、契約金額は約1,400万ドル、完成は2003年8月の予定です。

本能力増強に使われる技術は、TECが開発した「ACES21」という低コスト、省エネルギーの尿素製造技術であり、本格商業プラントへの初適用となりました。この技術の特徴は、合成系の機器数を減らした上で簡素化し、反応器も地上置きとして建設費を低減、プロセス性能面でも運転圧力を下げてプロセス条件を最適化した結果、エネルギー消費量も大幅に減少していることです。

TECは尿素プラントの建設実績で世界のトップレベルにあり、TECが携わったプラントは全世界の尿素生産量の約4分の1を占めています。人口が増加しつつある発展途上国を中心に食料の増産が求められており、これに必要な代表的な肥料である尿素の製造装置の需要も年間2-3%の伸びが予想され、1,750トン/日の製造装置換算で年4件程度の新設案件が期待されています。

また、TECは尿素製造装置の建設を請け負うほか、尿素技術のライセンサーとしても、インドネシア、中国、インド、ドイツの現地企業とのアライアンスを結び、「ACES21」、「大粒尿素」、「公害対策設備」等の尿素技術の世界的ネットワーク化を推進・構築し、設計・建設から運転管理に至るまで尿素技術全般のサービスを効果的に提供できるよう努めています。
本「ACES21」の場合は、インドネシア・プスリ社に試験設備を建設し、共同で開発を行ったものです。

TECは今後とも中国・インド・インドネシア・バングラディシュを始めとした各国のニーズに応え、最新技術を駆使して同種のプラントの新設・改造案件の受注を進めて行きます。

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