DXoTによる企業変革

TOYOのDXは、「どのような変化に対しても柔軟に対応できるしなやかな組織・カルチャーを有した常に飽くなき探求心から技術革新を生み出しイノベーションを量産化できる企業」をビジョンに掲げ、2025年までに生産性を6倍(2019年度比)にすることを目標としています。​
お客様のニーズに迅速かつ柔軟に対応できる、変化し続ける社会・市場においてサービス・業務・組織・制度・文化など企業活動や企業構造すべてを変革し続ける企業を目指します。

DXoT Digital Transformation of TOYOのビジョン

DXoT 戦略の柱

生産性6倍を達成するための戦略の3つの重点領域は、次の3点になります。

  1. CC Driven Engineeringの実現(CC: Commissioning-Construction):EPC業務を再構築(運転と工事の生産性を最大化させる設計と調達を実現)し、お客様が計画通りに生産開始できることを目指します。
  2. Proactive Corporate Managementの遂行:情報の適時見える化を実現し、ダウンサイドリスクの予測精度を高めることによって経営判断を先読み型に変えていくことを目指します。
  3. Data Leverageによる持続的成長:社内のデータコード共通化による情報汎用性向上に基づき、資産としてデータ活用をする仕組みの構築に取り組みます。

生産性6倍実現のロードマップ

5つのターゲットに向けて19のタスクごとに目標管理を行っています。

CWP
Construction Work Package
IWP
Installation Work Package
FKMS
Feedback Knowledge Management System
AWP
Advanced Work Packaging

TOYOが目指すあり姿

プラント建設の現場というリアルの世界をデジタルの世界で管理できる仕組みの基盤となるデジタルツイン構想のもと、プロジェクトツイン(世界各国で遂行中のプロジェクト単位の情報を随時リアルタイムでモニタリング)とコーポレートツイン(コーポレートの視点からリスク予兆の感知及び迅速な判断とアクションに繋げる)により、付加価値の高いデータをデジタルツインを通じて最大活用することによって、プロジェクト運営を安定化させ、収益基盤を強固にし、業績変動リスクを抑制します。

1. CC Driven Engineering

従来型の業務プロセスでは、FEED*1/プロポーザル段階を不確実性の高い状態で計画し、その結果、プロジェクトの設計・調達・工事・試運転の各フェーズにおいて手持ち・手戻りが発生していました。

CC Driven Engineeringのコンセプトは、AWP*2の適用によるEPC遂行プロセスの改革です。
FEED/プロポーザル段階において、EPC戦略をバックキャスティング思想で練り上げ、試運転・工事ファーストの真のフロントローディングとして実行プランに落とし込みます。

不確実性の分析と予測を盛り込んだ計画・標準モジュールを活用し省力化と精緻化を両立した3D Model構築の組み合わせで、受注活動段階における設計プロダクトを受注後に活用することが可能となります。
更に、後工程の手待ちや手戻りを発生させないことで、全体の業務量を最適化し、品質・コスト・工期の総合力で競争力に繋げることを狙っています。

*1 FEED:Front End Engineering Design
*2 AWP:Advanced Work Packaging

CC Driven Engineering 成果(2021年2月時点)

これらの成果は全て2021年2月現在におけるものです。

RFID:Radio Frequency Identifier。ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数センチメートル~数メートル)の無線通信によって情報をやりとりする技術です。

2. Proactive Corporate Managementの遂行

Proactive Corporate Managementの遂行では、CC Driven Engineeringによる管理手法によって得られた鮮度・精度の高いデータを基に、正確に、迅速に経営判断を遂行していくことを目指しています。
「Smart Sales」と「Proposal DX」の2つのタスクでは、営業力・プロポーザル強化に取り組んでいます。
「Corporate Twin」と「Digital First」タスクでは、適性に応じた人財育成方針の実現に向け取り組みを進めています。人的資源や競争力に関わる情報の見える化によって、新規技術・新事業領域への投資、更にはその成果の確実な摘み取りなど、ポジティブスパイラル経営を実現させることを目指しております。

3. Data Leverageによる持続的成長

Data Leverageは、管理したデータを徹底的に使えるように改善のPDCAを回し、計画に対する正確性・再現性を高めていく取り組みです。
データ収集・分析により課題解決を加速させる手法の実現に取り組んでいます。

DX着手当初は、データガバナンスも不十分であったため、過去データへのアクセスが難しく、簡単に利活用できない状況でした。これらを打破するために、データ基盤としてDigital Platformの構築に着手しました。
将来有用な取り組み領域を精査した上で必要なデータを定義し、現場の業務負荷を高めずに収集する業務フローに落とし込むなど、いくつもの重要課題の解決に取り組んでいます。