プラント配管/パイプラインの動解析

概要

一般に、弁閉鎖等で発生する急激な管内流体の圧力上昇、 それに伴って配管系に起こる衝撃的振動・負荷等をまとめて水撃問題と称します。 各種プラント配管/長距離液パイプラインにおける水撃問題の検討と対策、及び、 それら運転時における水撃問題処理において当社は豊富な経験と実績を持っています。

当社ではこれらの経験に基づいて自社開発された汎用水撃解析プログラム 「WATHAM-II」を使用し、又、多くの研究機関/ベンダー/プラント現場より長年かけて 集めた事例データを活用して、現状に見合った最適な水撃対策・検討を行います。

特徴

配管システム内の流体過渡現象は、システムの停止につながる不安定な運転状態、振動や過大圧力などによるシステムの機械的な損傷を引き起こすことがあります。そのような流体過渡現象を模擬する配管システムの動解析は、配管システムの設計及び運転に対して重要な役割を果たします。東洋エンジニアリングでは、液輸送配管、ガス輸送配管、気液混相流輸送配管の設計、試運転、トラブルの原因究明・対策検討などにおいて、この動解析技術を役立てています。

液配管システムへの水撃解析適用事例

液配管網内の流体過渡現象は“水撃”や“圧力サージ”と呼ばれる急峻な圧力変動を引き起こすことがあります。典型的な水撃発生要因としては、ポンプ停止後の吐出逆止弁の閉鎖やコントロールバルブの急操作があります。急峻な圧力変動は、そのような運転・操作でよく発生し、管網全体に広がっていきます。圧力変動が過大であれば、過大な圧力上昇がシステム内に過大圧力を引き起こすことがありますし、過大な圧力低下がシステム内に負圧を発生させ、蒸気層の発生(液の蒸発)と蒸気層の消滅(蒸気の凝縮)による2次的な圧力変動を引き起こすことがあります。また、急峻な圧力変動は配管システムの深刻な振動や損傷につながりかねない衝撃荷重を引き起こします。

この解析事例では、ある化学プラントの冷却水システムのポンプ吐出逆止弁タイプの決定のために、その冷却水システムの水撃解析を行いました。冷却水システムの概略図を図1に示します。水撃解析によって計算した、ポンプBの停止による逆止弁B出口での圧力変動を図2に示します。逆止弁がデュアルプレート型の場合、逆止弁閉鎖時に発生した最大水撃圧が設計圧を超過しましたが、逆止弁がノズル型の場合、最大水撃圧は十分に設計圧以下に収まりました。この解析に基づいて、ノズル型の採用が適当であると確認できました。

東洋エンジニアリングは、このような水撃解析技術を駆使し、エンジニアリングの円滑な遂行と問題解決に役立てています。

図1 冷却水システム概略図

図1 冷却水システム概略図

図2 逆止弁B出口部の圧力変動

図2 逆止弁B出口部の圧力変動

ガス配管システムへのガス動解析適用事例

ガス動解析は、設計の妥当性、システムの操作性、厳しい過渡状態による問題への対策調査を確実なものとすべく、圧縮機の起動や停止、フレアリングなどの過渡現象に対して利用されます。

ガス圧縮システムにおいてよく懸念されることの一つに、機器や配管の振動や損傷を引き起こしかねない圧縮機サージがあります。この解析事例では、図3に示す反応器ループにおいてアンチサージ弁のサイズが適切であることを確認するために、ガス動解析を行いました。図4に圧縮機が停止した後の運転点の軌跡を示します。図4に示すように、運転点の軌跡はサージ領域の右側に留まり、アンチサージ弁のサイズが適切であることが確認できました。
東洋エンジニアリングは、このようなガス動解析技術を駆使し、エンジニアリングの円滑な遂行と問題解決に役立てています。

図3 反応器ループ概略図

図3 反応器ループ概略図

図4 圧縮機停止後の運転点の軌跡

図4 圧縮機停止後の運転点の軌跡

多相流パイプラインの動解析事例

ガス、油、水を含む混相流体を輸送するパイプラインにおいて、その設計や運転モードの検証、適切な維持管理計画のためには、パイプライン内流体の動的な挙動を把握することが重要です。
この解析事例では、図5に示すように、海底ガス田から採掘された天然ガスおよびコンデンセートの混合流体を沖合のプラットフォームから陸上の処理施設に輸送する長さ100km以上の海底パイプラインを対象とし、7日間にわたるパイプライン内の多相流の挙動を解析しました。解析結果の代表として、得られたパイプライン入口圧力と出口流体温度を時間履歴として図6に示します。解析結果は実際のパイプラインの計測データと良好に一致することが確認され、本シミュレーションを利用して運転・生産計画の検討が行われました。
東洋エンジニアリングは、このような多相流パイプラインの解析技術を駆使して、エンジニアリングの円滑な遂行と問題解決を行っています。

図5 海底パイプライン

図5 海底パイプライン

図6 解析で得られたパイプライン入口と出口における圧力と温度の時間履歴

図6 解析で得られたパイプライン入口と出口における圧力と温度の時間履歴