知財の創出・権利化、知財戦略の立案・実行、共創のためのビジネスモデル構築

TOYOでは、知財部門であるIPマネジメント室が、技術戦略委員会および技術開発部門と連携したフロント活動を通じて、技術開発方針の決定から事業化する段階に至るまで、知的財産の創出と権利化、知財戦略の立案と実行、共創*のビジネスモデル構築を主導します。
当社は、知財を当社の持続的発展に役立てるため、他社特許出願の調査・分析による知財情報を活用し、それに基づきアイデアを生み出し、権利化して、強みとなる独自技術を確保します。
これにより、参入障壁を構築しつつ新たな価値を生み出し、付加価値の高い事業を構築します。このような知財活動を通して、EPC受注や技術ライセンス契約締結を推進し、社会課題を解決するとともに、事業をより付加価値の高いものに昇華させ、利益率の向上を図り、当社の発展を実現させます。
*他社との共同開発や、ライセンス導入・供与など

当社成長ストーリーに基づく知財戦略の立案・実行

TOYOは、知財活動を当社の成長ストーリーの一環として位置付けています。成長ストーリーは、当社Missionからスタートして、当社事業が顧客視点の価値を創造し、当社技術が選ばれることで、その事業が発展し、当社の成長が実現されるというものです(下図)。

本事業は当社Mission にどのように貢献するのか
本事業は市場でどの程度必要とされているのか
その中でなぜTOYOが選ばれるのか
本事業の進捗(見通し)はどの程度か
本事業はどのように
TOYOの成長に繋がるのか

知財戦略立案のための当社成長ストーリー

このような成長ストーリーに基づき、知財戦略を立案・実行し、効果的に知財の創出・権利化およびビジネスモデル構築を推進します。
以下にe-メタノール製造技術(g-Methanol™)の事例を紹介します。

事例:回収CO2と再生可能エネルギー由来の水素を原料としてe-メタノールを製造するプロセス「g-Methanol™」

この事業はMission「エンジニアリングで地球と社会のサステナビリティに貢献する。」にどう貢献するのか

回収CO2と再生可能エネルギー由来の水素を用いることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。

海運業界を中心に燃料としてのメタノールが注目を集めています。TOYOでは化石燃料由来のメタノール合成に取り組んできた経験を活かし、CO2と再エネ水素から製造するクリーンなメタノール合成の取り組みを行っています。独自のメタノール合成反応器MRF-Z™を強みに再エネの変動条件下におけるプラント設計と運用に向けての挑戦を続けています。

クリーンなメタノールはどのくらい必要とされているのか

クリーンなメタノールの需要は大きく増加しています。

クリーン燃料需要の増加から、2050年には5倍に伸びると予想

バイオマスメタノールおよびe-メタノール
出所:IRENA Renewable Methonal Report Fig.47よりTOYOで作成

化石燃料を使わず製造される環境循環型のメタノール”グリーンメタノール”には、バイオメタノール(木材チップ等のバイオマスから製造される)とeメタノール(再エネ水素とCO2から製造される)があり、中でもeメタノールの生産量が大きく増加すると予想されています。g-Methanol™はeメタノールの市場をターゲットにしています。
グリーンメタノールEPC市場について、以下市場の額を算定し、当社の売上目標を定めます。

  • 全体の市場 (TAM:Total Addressable Market)
  • ターゲット市場 (SAM:Serviceable Available Market)
  • 当社がアプローチできる市場 (SOM:Serviceable Obtainable Market)

なぜTOYOが選ばれるのか

TOYOは他社では十分な開発が行われていない、再生可能エネルギーによる発電量の変動に対応する技術を提供できます。

自然条件に大きく依存する再生可能エネルギーにおいては、その安定供給のために、出力変動(再エネ変動*)条件下における調整機能が重要です。 当社はこの機能を備えたプラント設計と運用に取り組んでいます。他社の技術開発動向を示す指標として特許出願動向を分析すると、再エネ変動への対応に関する技術の開発は他社ではあまり進んでいないことがわかります。 当社は、この領域の技術開発を進め、特許権の取得、ノウハウの獲得・蓄積を図り、競争力を強化しています。 このように、知財戦略として、需要があるにもかかわらず、他社では十分な開発が行われていない領域について技術開発を進め、特許権の取得とノウハウの獲得・蓄積を進めることで、他社との差別化を図り、当社が選ばれる合理的な理由を顧客に示せるようにします。

*再エネ変動とは、再生可能エネルギーの特性により、天候や時間によって発電出力が変動すること

メタノール製造に関する他社の特許出願動向
(丸の大きさは出願件数の多さを示す)
再エネ変動に対応した化学プロセスの構築技術
再エネ変動に対応して構成設備の負荷を制御することで、高効率なメタノール製造を可能にするプロセスを提供します。
再エネ変動に対応したプラントの設備設計技術(MethaMaster™
再エネ発電量、プロセス性能、構成設備コスト等のデータに基づく製造効率のシミュレーションにより、設備構成の最適化を可能にするプラント設計を行います。
再エネ変動に対応したプラントの運転計画技術(MethaDynamics™
気象データ、生産計画等をプログラム処理することで、再エネ変動下でも高効率なメタノール製造を可能にする最適な運転計画を作成し、実行します。

この事業の進捗状況は?

商用化を進めています。

インド国営NTPC向けの技術ライセンス供与の取り組み

g-Methanol™は世界各地から引き合いがありますが、特にTOYOが長年ビジネスを行ってきたインドでは、製造コストの大半を占める再エネの低コスト化が進み、競争力が高まってきています。2021年にはインド国営のNTPC向けに、火力発電所から排出されたCO2と水素からメタノールを合成するプロジェクトにおいて、g-Methanol™の技術ライセンスを供与し、2023年2月に反応器を納入しました。

どのように利益率を向上させ、当社の成長に繋げるのか

EPCとライセンス事業(非EPC)の両方で利益率向上を図り、TOYOの成長に繋げます。

当社独自の再エネ変動対応(MethaMaster™等)や合成反応器(MRF-Z™およびMRF-Z Neo™)をコア技術として、ライセンス収入を目指します。
現状、当社売上全体に対するライセンス収入が占める割合は大きくありませんが、EPC事業に加えたもう1つの事業の柱としてこれを伸ばすことで、財務基盤を強化し、当社の成長を実現します。 知財戦略として、ビジネス環境を踏まえつつ、獲得した知財をコア技術として、EPCとライセンス事業の知見を相互に活用することで、当社ビジネスの拡大を図ります。 ライセンス事業を推進する人財の確保と育成とともに、委託販売も視野に入れ、販売拡大のための体制構築という課題に取り組みます。プラント建設業界では、ライセンス収入は一括で受け取る(フロー型)ことが多いですが、メタノール生産量に応じて継続的にライセンス収入を受け取る(ストック型)ことによる安定的な収益の確保も目指します。

① TOYOが拠点を持ち、EPCで強み を発揮できるインド、東南アジア 等の地域
EPCとライセンスの両方を実施

② 北米、中東等のクリーンなメタノールの需要が高まる他の地域
リスクの高い工事は含めず、ライセンスのみに特化

成長分野に重点を置いた知財の権利化推進

保有特許における新規事業分野と既存事業分野の比率
※ 保有特許数は特許出願と特許権を対象とし、同一発明が複数国に出願され たものは1件としてカウント

近年は、上記のメタノール事業(g-Methanol™)をはじめ、当社成長分野である、脱炭素・循環型社会・次世代エネルギーなど新規事業分野の特許出願件数が増加傾向にあります。
この傾向は今後も続くことが見込まれ、新規事業分野の収益増加に貢献することが期待されます。
また、特許権は原則、出願日から20年で消滅するため、特許権の有効性を持続させる上では、保有技術を継続して改良・更新し、新たな技術を権利化する必要があります。
尿素を始めとする既存事業分野では、設備やプロセスの改良技術のみならず、設備の改修、使用材料などを含めた多面的な観点から継続的に特許出願を行うことで、特許権の有効性を維持し、事業価値の維持・向上を図っています。

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