
カーボンニュートラル社会実現に向け、CO2排出削減は世界的な課題です。その鍵を握る技術が、CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)です。
CCUSは、CO2の分離・回収、利用(CCU)、貯留(CCS)から構成され、CCUはカーボンリサイクルとCO2の直接利用に分かれます。
TOYOは、プラントエンジニアリング事業で培ってきた知見と、優れた技術を持つパートナーとの連携により、CCUSの各分野における技術提案や事業開発支援など幅広いソリューションの提供に取り組んでいます。

分離・回収技術
CO2の有効利用には、高純度かつ低コストでの分離・回収が不可欠です。TOYOは最適なソリューションとして以下の技術を提供します。
OASE®
独国BASF SE社が開発した、CO2などの酸性ガスを化学吸収法により分離除去するプロセスです。主に、天然ガス処理や石油精製、石油化学、肥料プラントなどで利用されています。CO2の吸収能力が高いだけでなく、省エネ性と低腐食性を兼ね備えています。TOYOは、1984年からOASE®プロセスのライセンス業務と基本設計を代行しています。
※ OASE®はBASF SE社 の登録商標です。
TarT™プロセス
8Rivers Capital, LLC社が開発した天然ガスに含まれる酸性ガスを分離する技術です。独自の蒸留技術により高濃度の硫化水素やCO2を含む天然ガスを安価に処理できます。さらに、分離したCO2は液体で回収され、その後のCO2利用・固定化に適しています。TOYOは、本技術のライセンサーである8Rivers Capital, LLC社とTarT™プロセスについて包括協定を結んでいます。

CCU - カーボンリサイクル
カーボンリサイクルは、大気中へのCO2排出量を抑制するため、CO2を資源として化学品やe-fuel(合成燃料)*などに転換する技術です。
TOYOは最適なソリューションとして以下の技術を提供します。
*e-fuelは、再生可能エネルギー由来の水素と回収されたCO2を原料として合成される液体燃料です。
g-Methanol™:再生可能エネルギー由来のメタノール製造技術

再生可能エネルギー由来の水素と、さまざまな排出源から回収したCO2を原料に合成されたメタノールを「e-メタノール」と呼び、これをTOYO独自技術で製造するプロセスがg-Methanol™です。
TOYO独自技術を活用した、回収CO₂と電気分解による水素からのメタノール合成実証プラントにおいてファーストドロップを達成
インド国営電力公社NTPC Limited が保有する同国Madhya Pradesh州のVindyachal Super Thermal Power Station内に設置されたメタノール合成実証プラントにて、2025年6月3日、メタノールのファーストドロップを達成しました。
工場内で回収したCO₂と、水の電気分解により生成した水素から、生産能力10トン/日の規模でメタノールを合成したことは、インド国内では初となります。
SAF
TOYOは、米国Velocys社の保有するマイクロチャンネル技術によるFT合成と当社のエンジニアリング技術を組み合わせ、DAC(Direct Air Capture)由来のCO2や産業施設から排出される化石燃料由来のCO2から持続可能なジェット燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)などの商業化に取り組んでいます。主に航空機や船舶などの運輸部分におけるカーボンニュートラル実現に貢献していきます。

CCU - CO2直接利用 : CO2-EOR
EOR(Enhanced Oil Recovery)は、自噴しなくなったり、油層の含水率が上がったりした油田の残存原油を回収する手法です。1970年代に主に米国で確立された技術ですが、近年はCO2利活用の観点から、CO2によるEORが注目を集めています。
TOYOは1980年代初頭からEORを適用した油田開発に関与し、特にCO2によるEORプロジェクトの検討・実施を数多く手掛けてきました。地下解析を通して、高圧下でのCO2挙動を把握しつつ適切な地上設備を計画し、最適な生産計画を確立することが求められており、地下および地上設備の両分野の専門家を有するTOYOならではの総合的なサービスを提供しています。
CCS
CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は化石燃料を燃焼することで発生するCO2を分離・回収し、地中深くの特定の地層に圧入して安全・確実に貯留・固定化する技術です。CCUだけでは2050年のカーボンニュートラル達成は難しく、CCSの実用化が重要なカギを握るとされています。
しかし、コストをかけてCO2を地中内に貯留してもプロダクトを生まないCCSに対して、経済的持続性をいかに付加できるかが課題となっています。
TOYOは、CCSの重要性に早くから着目し、国内におけるCCSの実現を目指す日本CCS調査株式会社に設立当初より参画しています。さらに、CO2分離・回収・輸送・貯蔵(EORを含む)に関する豊富な経験を活かし、最新技術の調査・整備、システム検討・設計、経済性評価などを通じて、CO2排出削減・有効利用策としてのCCSプロジェクトに積極的に取り組んでいく方針です。
近年では、ブルー水素やブルーアンモニア製造時、および火力発電所から排出されるCO2削減にも寄与するため、CO2バリューチェーンの構築とCCSの社会実装に向けた取り組みを加速しています。
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