海面下7,000メートルの資源に挑む。深海油田での石油生産を可能にするエンジアリング 海面下7,000メートルの資源に挑む。深海油田での石油生産を可能にするエンジアリング

PROJECT04 MV24-PROJECT
ブラジル国旗

クライアント:三井海洋開発株式会社(ペトロブラス社)
設備名:FPSOトップサイド
設備能力:120,000t/d
建設サイト:ブラジル・リオデジャネイロ

現地でどんな評価を得るか、それがJ/Vでプロジェクトを遂行する鍵になる

 海洋油田開発が活発なブラジル沖では、ペトロブラス社向けのプロジェクトが多数動いている。TOYOはFPSOの専門家であるMODEC社のアライアンスパートナーとして大規模化・複雑化するプロジェクトの設計・工事品質の向上、納期・予算の確保などを担っている。
 「他社と組んで仕事をする際のポイントは、J/V内でどう動き、それがどう評価されるか。TOYO社内における評価がまったく通用しない。それが難しい点であり、鍵となる」と言い切る藤野。仕事の進め方や組織文化が違う会社とJ/Vを組む際には、そのやり方に合わせていく必要がある。「MODEC社はビジネスを行う際のスピードに長けている。我々も海外での仕事には慣れているが、色々なやり方があるなと感じた」と藤野。MODECのスピードに対してTOYO社員は、問題点を一つひとつ丁寧に潰していく真面目さと確実に仕事をこなしていくしなやかさに優れている。「もちろん、他社のいい点についてはできるだけ吸収すべきだが、必ずしも相手にすべて合わせる必要はない。TOYOの良さを最大限活かすことも大切だ」。
 J/Vだけに限らず、これから一緒に仕事をしていく、国、会社は全世界に及んでいるといっても過言ではない。プロジェクトで実力を発揮することによってTOYOの価値をより強固に印象づけていくことが必要だ。
 今後プラントは大型化・複雑化する傾向であり、ますますJ/V型のプロジェクトが増えていくだろう。J/Vに参画すれば若手であっても会社の代表であり、結果を求められる。もちろん、評価の目にさらされることになる。「そういった環境の中でしっかりと仕事をして結果を出せる実力と、初めて仕事をするパートナーともチームビルディングを構築できる精神的なタフさが、今後の若手社員には求められるだろう」と藤野は話している。

藤野 雅弘
プロジェクトマネージャー(PM)

海外第五プロジェクト本部
工学部 土木工学科卒
1983年入社

本プロジェクトにおける担当者の役職・所属はプロジェクト実行当時のものになります。

今後も多数予定されているFPSOプロジェクト

 世界中でFPSOプロジェクトは多数予定されている。特にブラジル沖のFPSO プロジェクトは今後5~10年は活発な投資が続いていくと言われている。今後は石油処理設備を搭載したFPSOから、天然ガス処理施設を搭載したFLNG、小型ガス液化設備を搭載したM-GTL船など、海洋資源の回収技術の発展とともにさらなる需要が見込まれている。こうした新技術にも果敢に取り組む姿勢こそTOYOの最大の強みであり、このパイオニア精神がある限り、今後もTOYOの大きな発展は確実だろう。