海面下7,000メートルの資源に挑む。深海油田での石油生産を可能にするエンジアリング 海面下7,000メートルの資源に挑む。深海油田での石油生産を可能にするエンジアリング

PROJECT04 MV24-PROJECT
ブラジル国旗

クライアント:三井海洋開発株式会社(ペトロブラス社)
設備名:FPSOトップサイド
設備能力:120,000t/d
建設サイト:ブラジル・リオデジャネイロ

経験を積んでいくことで、プロジェクトエンジニアとして成長していく

 本プロジェクトはシンガポール、ブラジル、アメリカと拠点が世界に散らばっており、ローカルコンテンツ(本案件では65%以上(注5))ローカルコンテンツ(本案件では65%以上)ローカルコンテンツ(本案件では65%以上)現地企業により生産された機器・資材を、金額ベースで一定割合以上プロジェクトに使用しなければならない契約が結ばれている。に加え、世界中のベンダーから機器や材料を調達するという課題をクリアしなければならない。
 PCE(注6)PCEPCEProject Control Engineer の略。の瀧澤にとっては、それを踏まえながらProject Master Scheduleを作成する上でのマイルストーン、工事要求、設計・調達期間のシーケンスの整合性を保ちつつ、確実なスケジュールを管理・調整するのが仕事になる。「スケジュールとコスト管理はプロジェクトを成功させるために必要不可欠な2大要素。プロジェクトの立ち上げから参画するのは初めての経験であり、責任のある仕事を任されたことにやりがいを感じている」と前向きに取り組んでいる。
 実は赴任当初、瀧澤に対して一部のエンジニアから「ずいぶん若いが仕事はできるのか」という厳しい言葉を投げかけられたこともあった。瀧澤はそれに対して言葉ではなく行動で応えた。自ら積極的に他の部署の担当とコミュニケーションを図り、円滑なやり取りができるよう議論の背景や周辺知識までも把握することを心掛けながらコツコツと仕事をこなしたのだ。プロジェクト開始から1年が経ち、資材が続々と現場に到着して工事が本格化してきた今では、J/V内はもちろんベンダーからも「瀧澤に任せておけば安心だ」と言われるまでになっている。PMの藤野は「まさに、プロジェクトが人を育てる、の実例。こうした成功体験を若手社員に経験させることが会社にとって大きな財産となっていく」と後進の成長ぶりを誇らしげに話している。

瀧澤 礼介
プロジェクトコントロールエンジニア

海外第五プロジェクト本部
工学部環境科学研究科
地球システムエネルギー学科卒
2008年入社

本プロジェクトにおける担当者の役職・所属はプロジェクト実行当時のものになります。

【注5】ローカルコンテンツ(本案件では65%以上)
現地企業により生産された機器・資材を、金額ベースで一定割合以上プロジェクトに使用しなければならない契約が結ばれている。

【注6】PCE
Project Control Engineer の略。

仕事の本当のおもしろさとは

 同じく若手社員として活躍中なのが岩田。他のプロジェクトメンバーがシンガポールオフィスで設計・調達を行っている中、ブラジルに工事担当として赴任した。プロポーザルからから実際のJOBまで携わる初のプロジェクトであり「プロジェクトを一気通貫で体験して、自立したエンジニアになりたい」と意欲的だ。
 赴任当時は12時間という時差の壁に苦しんだ。「シンガポールや日本と連絡を取らなくてはならないが、こちらが昼間の時は相手側が深夜。メールより電話でコミュニケーションを取ったほうが良いことも多く、24時間体制で仕事に取組むことが最初の壁だった」。加えて他部署との連携も重視し、工事現場には、各部署の担当と時差を超えて積極的に連絡をとり、情報を共有することを意識した。「プロジェクトにはタイの現場から一緒に働いている後輩社員がいて、些細なことでもフランクに連絡を取っている。ブラジルに来てからは妻よりも多く直接話しているのではないかと思うほど」と笑う。
 入社5年目で関わったこのプロジェクトで「仕事に対する姿勢が変わった」という岩田。「以前は成果物に対する上位者のコメントやチェックに頼っていた部分があり、『できた気』になっていた。しかし、自分自身が責任者の立場になり、責任を果たすということがどういうことかが見えてきた」と話しており、能動的にどんどん仕事を進めていく今は、仕事が面白くて仕方ないのだという。

岩田 浩二
工事計画エンジニア

工事本部・工事管理グループ
工学部 土木工学科卒
2007年入社

本プロジェクトにおける担当者の役職・所属はプロジェクト実行当時のものになります。