簡単にはいかないからこそ
試行錯誤する。
学びの日々は大きなやりがい。

配置・配管設計 髙木 広和

配置・配管
設計

髙木 広和

配置・配管エンジニアリング部
2010年入社 専攻:材料工学

仕事内容
配置・配管設計

私のやりがい

私は、入社時から入社7年目となる現在まで配置・配管設計を担当しています。配置・配管設計の業務について平たく表してしまうと、以下のような流れになります。

(1) プロセス設計チームから、どこからどこに配管をつなげるか、バルブや計器類をどの部分に設置するかの情報をもらう。
機器設計チームから、機器のサイズ情報をもらう。
(2) 機器の配置を決めて、配管のルートを計画し、建屋・ストラクチャのサイズを決める。
(3) 土建設計チームに、建屋・ストラクチャのサイズと配管の重量がどの部分にかかるかの情報を与える。

このように書いてしまうと簡単に聞こえますが、実際は一筋縄ではいきません。例えば配管ルートの設計では、配管を最短距離で繋げばいいというわけではありません。配管は運転中には熱膨張を起こすので、配管や接続先の機器が壊れないように、熱膨張を逃がすような形にしなければなりません。また、プラントオーナーが運転中に操作するバルブや計器類は、客先の要望に合わせてアクセス・メンテナンスしやすい場所に設置しなければならず、オーナーによって最適解が変わります。スケジュールについても重要です。例えば、配管の材料が工事開始前までに現場にないとプロジェクトが止まってしまうため、工事の順序を理解して優先しなければならない材料は何かを見定め、タイムリーにその部分の設計を確定して調達チームに数量を提示しなければなりません。さらに、弊社で扱っているプラントは巨大なので、配管設計チームだけで100人を超える場合もあり異なった国籍・教育水準・常識を持った人達が集まるので、いかに統率するか戦略を練ることも重要になります。
伝えたい特徴は他にもまだまだありますが、長くなるのでやめておきます。これらのことを若手社員は先輩社員の背中から学び、自分で試行錯誤を繰り返しながら洗練させていきます。学ばなければならないことが多く、簡単にはいかないからこそやりがいがあると感じます。

私は大学・大学院にて材料工学を学び、はんだ合金の開発をしていました。具体的には、金属を調合して顕微鏡でその組織を観察し、機械的特性(強度等)との関係を探る研究です。正直、この知識は現在の業務には全くと言っていい程関わりはありません。ただ、研究で培った、正しい情報を集めて論理的に組み立てて結論を出すという行為は、現在の業務の基本として生きています。また、学会での発表でいかに相手に伝わりやすい説明をするか模索した経験も、プラントオーナーに設計内容を説明する際などに生かされています。

仕事風景

私の目標

私の目標は、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトの成功を収めることです。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの全てを制御下に置かなければならないもっともチャレンジしがいのある立場で、私にとって憧れです。今後の展望としては、10年目までにリードアサインエンジニア(プロジェクトにおける各チームのリーダー)を務め、配置配管エンジニアとして一人前になった後、プロジェクトエンジニアに転身したいと考えています。
私は、配置配管設計業務で得られたスキルは、プロジェクトエンジニアになった際の基盤となると考えています。プロジェクトエンジニアの主な業務の一つが各チーム間の調整ですが、情報を集めて適格な方向性を示すには、全設計要素をカバーした広く深い知識が必要となります。しかし、設計業務の経験なしにプロジェクトエンジニアになった場合、経験を積んで広い知識を得たとしても、その知識は断片的です。というのは、プロジェクトエンジニアがチーム間の調整をするのは、通常問題が発生した場合に限られるためです。一方、配置配管設計業務では、各チームからの情報を集めて空間に落とし込むため、他のチームとの関わりが多く自ずとそれらの知識が身に付きますし、しかもその知識は時系列で網羅的です。このように、配置配管設計の経験は、プロジェクトエンジニアになった際の強みとなると考えています。

一番思い出に残っている出来事

私が最も印象に残っている経験は、現場実習を終えたばかりの2年目の冬に、小型プロジェクトの配置配管設計を任されたことです。プロジェクトの最初から参加し、設計完了後には建設地の中国の現場へも赴任し、プラントの完工まで立ち会いました。当然、出だしからどうしたらよいか分かるわけもなく、先輩社員やデザイナーの方、他のチームの方達を質問攻めにしながら手さぐりで進めました。またその時のプロジェクトマネージャーは厳しい人で、何度も返り討ちにされたのをよく覚えています。最終的にそのプロジェクトは成功を収め、微力ながら貢献することができたと思っています。今となっては、そのプロジェクトで揉まれたことによって、自立心と反骨精神が芽生え、その後の業務に対する取り組み方にいい影響を与えていると感じています。

OFFの過ごし方

最近の私の生活についてお話しします。現在、私はインドネシアのプロジェクトを担当しており、妻と約1歳の娘と共にジャカルタに住んでいます。ジャカルタは巨大なビルが立ち並ぶ大都会で、レストランやカフェも充実しているので、週末は家族でおいしいものを食べに行きます。また先日は3連休を頂いたのでバリへ行ってきました。ジャカルタから飛行機で約2時間の距離です。シンガポールやマレーシアへも2~3時間で行けるらしいので、機会があれば旅行に行きたいと思っています。因みに、もう少し経つと設計が完了し、現場があるチレゴンという田舎町に移住します。そこはジャカルタと違って何もないらしいので、休日をどう過ごすか検討中です。

OFF写真

学生の皆さんへ

私が東洋エンジニアリングに入って今の仕事を選択したことにより、自分の可能性が大きく開けました。大学時代、私は海外に一度も出たことがなく、英語も苦手でTOEICの点数は人に言えない程ひどいものでした。しかし現在では英語やインドネシア語もある程度話せ、フランス人のプラントオーナーと普通に議論しています。このように、プラントエンジニアリングは、人を鼓舞し高みへと導いてくれる環境だと思います。グローバルな舞台で働くことに興味はあるものの不安に感じている方は、ぜひ一歩踏み出し、共にチャレンジしていきましょう。