03 ビジネスを知る

ビジネスモデル'EPC'とは ビジネスモデル'EPC'とは

E=設計・P=調達・C=工事
その全てをマネジメントし、
何もない場所にプラントを生み出す

すべてのプラント建設プロジェクトは、設計(Engineering)・調達(Procurement)・工事(Construction)の大きく3つのフェーズに分かれています。この3つの頭文字EPCをとって、設計・調達・工事を一括請負するエンジニアリング会社が行うビジネスをEPCビジネスと呼びます。EPC以外にも、営業、プロポーザル、F/S (Feasibility Study)、FEED (Front End Engineering Design)、試運転、運転・保守など重要なフェーズが存在しています。一つひとつのフェーズが独立している訳ではなく、各々のフェーズは他のフェーズと連携しながら進められていきます。
エンジニアリング会社は、これらプロジェクト遂行に必要なすべてのフェーズを、プロジェクトマネジメントという手法を用いて管理・統括していきます。

E=設計・P=調達・C=工事その全てをマネジメントし、何もない場所にプラントを生み出す 営業 プロジェクトマネジメント F/S FEED プロポーザル 基本設計 詳細設計 調達 工事 試運転、運転・保守

何千人、何十社の協業による、複数年にわたるプロジェクト
そのリーダーとして、各部門が力を発揮する

  • 営業

    マーケットの最前線に立ち、顧客や社内の様々な部署と連携を取りながらプラント建設プロジェクト始動に向けて計画を推進していきます。顧客ごとにニーズも異なれば、アプローチの手法も異なります。国際情勢や社会情勢を鑑みた営業戦略や契約スキームの立案を行い、コンペティションを勝ち抜いて受注を獲得します。

    営業

  • プロジェクトマネジメント

    プラント建設プロジェクトでは通常、プロジェクトマネージャーを頂点としたプロジェクトチームが組成されます。非常に多くのヒト・モノ・カネが複雑に係わりあうプロジェクトにおいて、プロジェクトチームは設計から試運転に至るまで現場の状況を常に把握・分析・予測しながらプロジェクトを計画通りに推進していく、その司令塔の役目を果たします。予算、工期は勿論、チームの組織化及び運用、顧客やサブコンとの調整など、プロジェクト全体を統括します。

    プロジェクトマネジメント

  • F/S (Feasibility Study)

    プラント建設という大型設備投資は、お客様にとって今後の企業経営を左右するきわめて重要な決定事項です。そのため、最終的な投資決定に至るまで、技術的・経済的ならびに社会的な観点からプロジェクトの実現性を調査することが欠かせません。
    TOYOは、そうしたF/Sを専門に行うコンサルティンググループを持ち、専門家の目で技術的評価・経済性評価ならびに社会的評価を実施します。

    F/S(フィージビリティスタディ)・FEED

  • FEED (Front End Engineering Design)

    FEEDのフェーズでは、プラントの基本的な仕様を決定します。プロセスはもとより、機器、計装、電気は基本的設計を行い、重要なものについてはベンダーから見積りを取ります。配管、土建はプラント全体配置図を決め、必要な建屋、架台、道路等の概略を決めます。

    FEED

  • プロポーザル

    まず、顧客側が技術調査やマーケット調査などのF/Sを実施後、FEEDによってプロジェクトの基本的な計画を策定します。その後、EPC実施にあたり、顧客は複数のエンジニアリング会社に対して見積りを求め、技術評価、金額評価の上、発注先を決定します。プロポーザル部門は、営業・設計・調達・工事部門などと連携しながら、見積り作成などを行い、コンペティションを勝ち抜いて受注に導くという重要な任務を負っています。

    プロポーザル

  • 基本設計

    基本設計とは、設計の初期段階でプラントの基本的な仕様を決め、詳細設計に必要な基礎データを準備する作業をいいます。具体的には、化学工学の知識(単位操作、物質収支、プロセスシミュレーション等)を使って原料から製品を作るまでの工程(プロセス)を検討・構築・最適化し、その結果を図面化して詳細設計各部に渡す基礎データを作成します。 TOYOでは、プロセスシステム部が基本設計を担当しています。基本設計は、その後のプロジェクトの成否を左右する非常に重要な仕事です。

    基本設計

  • 詳細設計

    詳細設計では、基本設計から受け取った基礎データを、設計の後に続く調達や工事が可能なレベルにまで具体化する作業です。実際、詳細設計の担当者が機器資材メーカーと調達に関する交渉を行ったり、建設現場に出張することもあります。詳細設計には、機器設計、配置・配管設計、計装(計測制御)設計、電気設計、土木建築設計、ユーティリティー設計、防消火設備設計などがあり、それぞれエンジニアリング統括本部の中に担当部が分かれています。

    詳細設計

  • 調達

    TOYOでは、プラント建設に必要な機器・資材類は全て社外メーカーに製作を依頼しています。調達担当者は、詳細設計から受け取った前提条件をベースに、納期・予算・品質のバランスを頭に入れながら各メーカーから見積りを取り、発注先を決定します。いかに良い条件で調達できるかが、厳しい国際競争を勝ち抜くためのポイントになることは言うまでもありません。調達は、調達本部が担当しており、見積りや発注だけでなく、工程管理や検査、現地輸送までカバーしています。

    調達

  • 工事

    一般に「工事」と聞くと土木工事をイメージさせるかもしれませんが、プラントの建設現場には、土木だけでなく配管や電気、計装、通信、空調など複数の専門業者が入って工事を行う必要があります。TOYOの工事エンジニアは、これらの工事が効率よく、かつ安全に行われるように工事計画を立案し、現場では各工事業者の先頭に立って工事を推進していく旗振り役を務めます。様々な国籍から成る何万人もの人の力をひとつのゴールに束ねていく、とても重要な職務です。

    工事

  • コミッショニング

    建設工事が完成すると、契約要求に合致する品質の製品が生産されることを確認する試運転が行われます。試運転をクリアすると、顧客側にプラントが引き渡され、一連のエンジニアリング業務が完了します。営業からEPCに至る長いプロジェクト活動の末に無事プラントが完成し、そこから最初の製品が生み出されるのを見ると、それまでの苦労が一気に達成感へと変わります。

    コミッショニング