回転機の軸振動解析

概要

圧縮機、タービン、電動機などの回転機械のロータには、回転体の不釣合いなどに起因する周期的な加振力が作用します。また、往復動圧縮機や電動機などを含む回転機トレンにおいては、トルク脈動(トルクの大きさの周期的な変動)の発生が避けられません。回転機軸の曲げや捩りの固有振動数(曲げ危険速度 / 捩り危険速度)がこのような加振力の振動数と一致すると、共振によって大きな曲げ振動や捩り振動を生じますので、運転に支障をきたしたり、場合によっては機器の損傷をもたらしたりすることがあります。
このような回転機軸共振問題の検討は、機械メーカが責任を持って実施しますので、弊社が解析そのものを実施することは多くありません。しかしながら、特殊な設計検証や、不幸にして発生してしまった振動トラブルの原因究明や対策検討を実施することがあります。そのような特殊状況においては、回転機軸の振動解析技術を駆使して、エンジニアリングの円滑な遂行と問題解決に役立てています。

回転機軸曲げ振動解析の適用事例

減速ギアを介してガスタービンで駆動される遠心圧縮機の試運転において、予期せぬ振動問題が発生し、プラントの立ち上げに支障を来たしたことがありました。各機器とも、エンジニアリング実施過程においては細心の注意と十分な配慮を持って設計し、工場テストも実施して、問題ないことを確認していました。しかしながら、この事例のように、現地での運転によって初めて顕在化する問題もあり、本件はまさにそれに該当するものでした。
現地における振動測定結果から、振動は不釣合いによるものと考えられました。このため、現地においてフィールドバランス(現場での錘付加によるバランス修正)が幾度も実施されましたが、振動は一向に改善しませんでした。そこで、フィールドバランスによって振動が改善しない原因を検証するため、ガスタービン軸/カップリング/ギアピニオン軸をモデル化したトレンでの不釣合い応答振動解析を実施したところ、修正錘の取り付け位置を変えることでフィールドバランスの効果を劇的に向上させられることが分かりました。そこで、トレン解析で確認した効果的な修正錘取り付け位置を使って再度フィールドバランスを実施したところ、振動値は大幅に改善し、プラントの定格運転を達成することができました。
このように、回転機軸の曲げ振動解析は問題解決における重要なツールとなり得ます。
東洋エンジニアリングは、このような振動解析技術を駆使して、エンジニアリングの円滑な遂行と問題解決を行っています。

図1 曲げ振動解析実施例 (カップリングアダプタ端に錘を付加した場合のトレン応答モード)

図1 曲げ振動解析実施例 (カップリングアダプタ端に錘を付加した場合のトレン応答モード)

回転機軸捩り振動解析の適用事例

この事例においては、プラントの商業運転中に機器損傷問題が発覚しました。機器の損傷状況から捩り共振が疑われましたが、さまざまな検証の結果、不幸にして現地においてそのような捩り共振が実際に発生していたと結論付けられました。問題の検証過程においては、機械メーカによって捩り振動解析(捩り固有値解析および捩り応答解析)が実施されましたが、正確な現象の把握と確実な対策実施のために、東洋エンジニアリングにおいても捩り固有値解析や捩り応答解析を実施し、機械メーカの解析結果を確認いたしました。このような検証計算を実施することによって、原因分析結果および対策案の有効性をより確固たるものとできました。
東洋エンジニアリングは、このような振動解析技術を駆使して、エンジニアリングの円滑な遂行と問題解決を行っています。

図2 捩り振動解析実施例 (捩り一次固有値計算結果)

図2 捩り振動解析実施例 (捩り一次固有値計算結果)